【パリ】マリー・ローランサンとオランジュリー美術館 

こんにちは、いじわるこです。

燃料増税に反対するデモから始まったパリでの暴動、連日報道される内容に心を痛めています。

こんな中呑気なパリ滞在記を綴るのも無神経な話なのですが、ここは私が旅の記憶に浸る場でもあるので、いつも通りのトーンで発信したいと思います。

今回はオランジュリー美術館で出会ったマリー・ローランサンの作品と、オランジュリー美術館のチケットの事前購入の方法について語ります。

オランジュリーで出会ったマリー・ローランサンの作品の魅力

パリには何度か訪れたことがありますが、オランジュリー美術館に行くのは今回が初めて。

ここではモネの「睡蓮」が有名ですが、私が心奪われたのは地下にあるマリー・ローランサンのコレクション。

マリー・ローランサンは1900年代に活躍した女性画家。

当時上流階級の夫人の間では、ローランサンに肖像画を描いてもらうのはステータスだったそうです。

彼女の絵画を一言で言い表すなら「メルヘン」。

ファンタジー溢れる色遣いや小鹿やハトといった夢のあるモチーフがローランサン作品の特徴です。

「スペインの踊り子たち」

パステルカラーの印象が強いローランサンの作品ですが、近くで見ると意外にグレーや黒の分量が多い事に驚きます。

「ポール・ギョーム婦人の肖像」

この女性のご主人は1900年代にモダン絵画のディーラーとして名を馳せたポール・ギヨーム。

オランジュリー美術館にあるローランサンの作品は、すべて彼のコレクションです。

ポール・ギヨームは絵画の目利きで莫大な資産と名声を手に入れ、上流階級の仲間入りを果たしました。

彼の周囲にいた画家たちもまた、彼と知り合うことで経済的安定を果たし、創作活動に専念できる環境を手に入れることができたそうです。

この肖像画の夫人から感じ取れるのは、満ち足りた気持ち、穏やかな時間、といったポジティブなオーラ。

観る人にも幸福感をもたらす至福の1枚です。

でもまー、夫が大富豪で美しい絵画に囲まれてって・・そんな生活してたら、そりゃ幸せやろ。

そんな夫人の肖像画と対照的で興味深かったのがこちら。

「マドモアゼル・シャネルの肖像」

このショートカット、まさにシャネルですね。

ココ・シャネルもローランサンに肖像画を依頼した上流階級にいたひとり。

しかしこの作品の仕上がりが気に入らず、受け取りを拒否したそうです。

先述のギヨーム夫人が「男に守られた女」だとしたら、シャネルの生き方は「頼りになるのは自分自身」。

女としての生き方が180度違えば、同じ画家が手掛けた肖像画も面白いほど印象が異なります。

シャネルの肖像画では鮮やかな色彩を多用しているにも関わらず、陰鬱さが絵全体を覆っています。

ギョーム婦人の肖像画が人生の喜びを溢れさせているのに対して、このシャネルから感じ取れるのは孤独と憂鬱。

それは一見華やかに見えるファッションの分野で大成功を収めたココ・シャネルのもう一つの顔ではないでしょうか。

人は、他人のこういうところにこそ人生の厚みを見出すものですが、シャネルにとってそれは決して他人に見せたくない一面だったのでしょう。

私はココ・シャネルの生涯を映画でしか知りませんが、苦労と深い孤独を抱えてながらもそれを周囲に悟らせない生き方をした女性という印象があります。

そんな彼女がこの絵の受け取りを拒否したというのは至極当然という気がします。

自分の陰の部分を描かれてしまったことは、シャネルにとっては裸を見られるような居心地の悪さだったのではないかと察します。

そういえば、時代は違いますが、マリー・アントワネットの時代に人気のあった宮廷画家は、「本人に似てるギリギリの範囲で、可能な限り美化して描く」ことができる画家だったそうです。

ローランサンは、シャネル女史を正直に描きすぎちゃったのかな・・

ローランサンにもかつての宮廷画家のような忖度ができれば、すんなり作品を受け取ってもらえたのではないかというのが私の考察です。

チケットサイトTiqetsでオランジュリー美術館の入場券を買ってみた

今回のオランジュリー美術館、前日にTiqetsというサイトでチケットを購入しておきました。

通常どのくらい混む美術館なのかわかりませんが、もし行列にでもなってたら、並ぶ時間がもったいないと思いまして。

利用方法は至って簡単。スマホでサクサク買えました。

チケット購入方法は以下の通り。

トップページから都市(今回はParis)を選択

②施設(今回はMusée de l’Orangerie)を選択

③カレンダーから行きたい日付を選択、“Check availability”をクリック

④人数を入力、”Go  to the next step” をクリック

⑤名前、emailアドレスを入力し、”Confirm your booking”をクリック

⑥支払い方法を選択、次に進む

⑦カード情報を入力、次に進む

⑧入力したカード情報を最終確認、次に進む

⑨チケット購入完了!入力したメアドにチケット(バーコード)が届きます。

入館口でこのバーコードを提示するとすんなり入ることができました。

とはいえ、当日はそこまでの行列でもなかったのですが、いろいろな都市で使えるらしいので、練習がてら使ってみてよい経験になりました。

Booking Feeとして1€のシステム手数料が発生しましたが、1分1秒でも惜しいヨーロッパの街歩きでは行列に時間を割きたくないので、多少手数料がかかってもこういうシステムがあるのはありがたいです。

私はブラウザから利用しましたが、アプリもあるようです。

さて、⑪まで続いた「パリ滞在記」、ここでいったん休憩です。

まだまだ書きたいネタはあるのですが、他の街の話もしたくなったので、次回からは「シカゴ滞在記」を開始したいと思います。

ではでは~。

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