こんにちは、複業主婦ブロガーのいじわるこです。
昨年秋、仕事で1週間パリに一人で滞在しました。
フランスは大好きなので、仕事終わりの歩きをとても楽しみにしてたのですが、唯一心配だったのが現地での治安面。
観光客を標的にしたスリ・ひったくりはもちろんのこと、10年前には考えられないような悪質な犯罪も増えているというではありませんか。
かなり念入りに防犯対策した上で渡航しました。
その甲斐あってか何事もなく、無事1週間の滞在を終えることができたので、私が1週間のパリ一人歩きで気を付けたことを共有したいと思います。
残念ながらこの記事に書いてある事をすべてを実行したからといって、犯罪に遭わない保証はありません。
しかし、予備知識があるだけで被害者にならずに済む類の犯罪も多くあります。
これからフランスに行こうと思う人の参考になれば幸いです。
Contents
①現地で横行している犯罪の手口を知る
スリや詐欺に関しては流行りのパターンを知っておくことで、ある程度の防犯になります。
外務省やパリ市観光局といった公的機関のサイトでは横行している犯罪の手口が公開されてます。
私も渡航前に目を通しておきました。
以下は犯罪の手口の一例です。
偽嘆願書(詐欺、スリ)
観光名所で偽の嘆願書を手に署名を求めて近づいてくる。
観光客が偽の嘆願書にサインをしてる間に貴重品が盗まれるパターンや、
署名だけでなく金銭を要求する場合もある。
有名な教会や財団の名前をちらつかせて活動しているものの、全くの無関係。
若者のグループによる犯行が多い。
札あてゲーム(詐欺)
街頭で観光客をターゲットにしたカードや玉、円盤などを使った賭博行為。
例えばカードの場合、いくつかのカードからどれか1つに賭けるよう求められる。
そのカードが出れば掛け金は倍になり、出なければかけたお金は没収される。
カードを操るのは胴元であり、仲間が客の振りをして群衆に混じっているため、必ず観光客は負けるよう仕組まれている。
クレジットカードを利用した犯罪(詐欺)
ATMに細工を施し、そのATMを利用した観光客のクレジットカードが排出不能になるという悪質な犯罪。
「あれ、カードが出てこない・・??」と焦っているところに親切なふりをした実行犯近づいてきて、再度暗唱番号を押してみるよう促してくる(この時実行犯は暗唱番号を盗み見している)。
ATMには細工がされているので、当然暗証番号を再入力してもカードは出てこない。
観光客が諦めてその場を離れたすきに、犯人はカードを引き上げて、盗み見した暗証番号で現金を引き出す。
対策:現地でATMを利用する際は銀行そばのATMを利用し、銀行が空いてる時間に利用するようにしましょう
地下鉄の発券機で親切を装った男が・・(詐欺)
地下鉄の発券機で切符を買おうとしてもたついてたら、後ろに並んでいた男が操作方法を教えてきた(この男は親切を装った犯罪者)。
男は勝手に自動券売機を操作してきて、男のクレカや現金でフリーパスを購入。
勝手に購入しておいて、恩着せがましくその切符を示し、「この金額を支払え」と観光客に要求してくる(50ユーロくらい)。
圧倒されて仕方なく言われた金額を支払い、切符をもらうと男はその場を立ち去る。
渡された券種をあとから確かめてみると、それは先ほど購入したはずのフリーパスではなく、1ユーロちょっとの1回乗車券だった。
(一見券売機から取り出した切符をそのまま渡してきたように見えたが、おそらくどこかのタイミングで安い1回乗車券にすり替えていた)
対策:券売機付近で声をかけられた場合、ほぼ100%の確率で詐欺だと思う事。毅然とした態度で「手助けはいらない」と言い切ることが大切です。
昼間の地下鉄駅のエスカレーターでスリ
地下鉄の駅を出ようとしてエスカレーターに乗ったら、出口で男が待ち構えていて、進路を阻まれているうちに後ろにいたもう一人の犯人に貴重品をすられた。
対策:なるべくエレベーターは使わず、階段を利用するのがベターです。そもそも人気の少ない時間帯にメトロの利用は避けるのが好ましいです。
以上が現地で横行している犯罪パターンの一例です。
この他にも
- アジア系外国人に、代わりにブランドものを買ってきてほしいと頼まれる
- 偽警官が 「麻薬の捜査をしている」といいつつ財布を検査しようとしてくる
- バイクによるひったくり
- 白昼の電車車内で強盗被害
など、実例が出てくる出てくる・・・
以下の公的サイトにある犯罪事例は、渡航前に一読しておくことを強くおすすめします。
- 在フランス日本国大使館HPの法人犯罪被害事例
- パリ警視庁が作成した日本人観光客向けの安全対策パンフレット「パリガイド 安全な滞在のために(PDF)」
- 外務省 海外安全ホームページ フランス安全対策基礎データ
②話しかけてくる見知らぬ人は「基本無視」を徹底する
親切に話しかけてくる見知らぬ人に対して、「せっかく話かけてくれるのに無視して傷つけたら申し訳ない」なんて思ってはいませんか?
その気持ち、よくわかります。
しかし残念ながら、詐欺被害に共通するのが、フレンドリーに声をかけてきたり、教えてもらった後に何らかの被害に遭っているという事実。
券売機やATMを操作してるときに話かけてくる人はほぼ100%詐欺だと思ってよさそうです。
恐ろしいのが、「詐欺師=胡散臭い見た目」という思い込み。
実はプロ詐欺師は感じが良かったり、身なりがきちんとしてたりするので、観光客もつい気を許してしまい・・という形で引っかかってしまうようです。
例え困っているときに親切に話しかけられても、見た目で信用できそうな人だと思っても、あくまでも相手は知らない人。
繰り返しになりますが、ATMや駅の発券機付近では気を許すことなく、毅然とした態度で「NO」と伝えることが大切です。
③持ち歩く荷物に3段階で優先順位をつける
ズボンの後ろポケットに貴重品を入れてスリ被害に遭った・・って話をよく聞くんですが、はっきり言ってズボンの後ろポケットってセキュリティユルユルですよね??
おなじ理由でショルダーバッグやトートバッグに貴重品を入れるのもおすすめしません。
私は、荷物を「貴重品、プチ貴重品、その他」に3分類し、以下のように優先順位を付けて持ち歩く方法を工夫しました。
- 貴重品 → パスポート、予備のクレカ、現金、クレカを紛失した場合の連絡先とクレカの番号控え
- プチ貴重品 → レストランや買い物の支払いに使うクレカ、少額の現金、スマホ、パスポート写し
- その他 → 上記以外
順にみていきましょう。
貴重品:ウエストポーチで肌身離さず!
まずは貴重品。
私はパスポートや緊急時の現金(10万くらい)など、現地で使う頻度は低いけど失くしたらシャレにならないものを「貴重品」とカテゴライズし、服の下に忍ばせてました。
パリに限らず、私は海外ではこの手の薄いウエストポーチの薄いバージョンを愛用しています。
この手のポーチは「中に入れたものが取り出しにくい」という難点がありますが、ここに入れるパスポートや予備のクレカ、緊急時の現金等は現地で使う場面がほぼ皆無なので問題ありません。
ポイントは服の下に忍ばせること。文字通り「肌身離さず」持ち歩くことが大切です。
私はズボン内側の下腹部(下着の上)に隠してましたが、何ならパンツの内側でもいいかもしれません。
服の内側であればあるほどスリに遭う確率はぐっと下がりますので。
レストランや買い物の支払いは後述する「プチ貴重品」として別に持ち歩くので、このウエストポーチにある「貴重品」は外出中は基本出し入れしません。
プチ貴重品:たすき掛けバッグで持ち歩く
次にプチ貴重品。
現地で使うクレカや現金、スマホ(カメラを兼ねる)などがこれに相当します。
たすき掛けのバッグに入れて持ち歩くようにしました。
本当はこれらも「貴重品」として同じように服の下に忍ばせたいところですが、レストランや買い物の度に服をめくりあげて財布をゴソゴソ取りだす・・ってかえって物騒じゃありません?
あと、スマホは写真を撮ったりグーグルマップを見たりと結構な頻度で使うので、これも服の下に入れるというのは現実的ではありません。
よってこれらはたすき掛けのバッグに入れ、最悪盗られることを前提に持ち歩くようにしてました。
というのも、スリや詐欺などはこちら側の心構えである程度未然に防ぐことは可能ですが、最近はひったくりや強奪など、犯罪の手口も暴行可しているようです。
路上でバイクの2人組にひったくられた、大人数に取り囲まれた、白昼の電車内でバッグごと引っ張られた・・など。
こういった犯罪は防ぎようがないので、プチ貴重品は盗まれる覚悟で持ち歩くしかありません。
具体的には
- クレジットカードの限度額は低めに設定
- 現金は小額のみ(私は50€)
- スマホはのデータはマメにバックアップを取っておく
といった形で、万が一盗難に遭っても被害が最小限で済むよう工夫しておきました。
さらにこんな感じで「プチ貴重品」を入れたたすき掛けのバッグの上から、コートを羽織るようにしてました。
電車の中など込み合う場所ではバッグ本体をしっかり持って、なるべくこのバッグから気を逸らさないように気を付けました。
たすき掛けは、トートバッグやショルダーバッグのような肩掛けに比べるとまだスリに遭う確率は低いかなと思ってます。
ただ、たすき掛けバッグでも、ナイフで本体を切りつけられたり、大勢で取り囲まれたりすれば中のものは取られてしまいまし、その可能性はゼロではありません。
ですので、繰り返しになりますが、プチ貴重品以降は盗られる事を覚悟して持ち歩く事が大切になります。
その他:リュックかトート
最後に「貴重品」「プチ貴重品」以外の荷物です。
私の場合、PC、水筒、筆記用具、書類などがこれに相当しますが、リュックに入れて持ち歩いてました。
PCは気持ちの上では「超貴重品」なのですが、サイズ的に肌身離さず身につけるのは不可能です。
白昼の電車で乱暴にひったくられたケースもあるようなので、はやり「プチ貴重品」と同じ感覚で、最悪盗られるのを覚悟でバックアップを取って持ち歩きました。
私は両手が空くのが好きなので、リュックを使ってました。
込み合う電車の中では抱きかかえるような形で前にかけるのが基本です。
以上のように荷物に関しては「ウエストポーチ、たすき掛けバッグ、リュック」の3つを使い分けて移動しました。
せっかくのパリ、おしゃれしたい気持ちもありましたが、防犯対策を優先しました。
カメラは持っていかないという選択
せっかくのパリ、ちゃんとしたカメラで街の風景を撮りたいという気持ちもありましたが、「荷物が少ない方が盗まれるリスクが低い」と割り切り、今回はカメラは持参せず。
撮影はスマホで対応しましたが、最近のスマホは綺麗に取れるので、不満はありません。
このブログの2018年フランス滞在記はすべてスマホで撮影したものです。
これはお気に入りの写真です。
さらに、3万程の格安スマホなので、データのバックアップさえマメに取っておけば、最悪本体を盗まれてもダメージは最小限で済むかと。
Huawei honor9 STF-L09 ミッドナイトブラック SIMフリー
実際に盗まれたら痛いっちゃ痛いですけど、8.9万するiphoneを盗まれるよりはダメージ少ないです。
旅のお供に格安スマホ、おすすめです。
④犯罪に遭った後の対応を考えておく
犯罪被害に遭うかどうかは観光客側の心構えも大切ではありますが、運によるところも大きいのも確かです。
人通りの少ない道は避ける、治安が悪いといわれているエリアには行かない、深夜早朝は出歩かない・・など、いくら気を付けていても、被害に遭う時は遭います。
ですので私は盗難に遭った場合の対応も想定しておきました。
パスポートを紛失した場合
速やかに大使館に連絡するようにしましょう。
在フランス日本国大使館電話番号:01.4888.6200
私はそこにパスポートの写を2部用意しておき1部はスーツケース、1部はたすき掛けバッグに入れて持ち歩いてました。
クレジットカードを盗まれた場合
カード会社に連絡を取り、カードを止めてもらうようにしましょう。
私はカード番号とカード会社への連絡先をまとめたリストを2部用意し、1部はスーツケース、もう1部はウエストポーチに入れて持ち歩いてました。
警察へ被害届を提出
最寄りの警察署に届け出ましょう。
在フランス日本大使館HPでパリ警察署リストと被害届作成依頼書記入用紙がダウンロードできます。
私は予め2部ずつプリントアウトしておき、スーツケースとリュックの中に保管してました。
その他、パスポートの再発券の手順や緊急で現金が必要な時などの対応については、在フランス日本大使館のHPにて詳しくまとめられているので、一読されておくことをお勧めします。
⑤危険なエリアを把握しておく
パリには全部で20の行政区があります。
一言でパリと言っても、訪れる区によって町の雰囲気や治安は様々で、私たちが知ってる華やかなパリのイメージ通りとはいかない区もあります。
危険な北東部には近づかない
18,19,20区の北東部は特に治安が悪いと言われており、滞在中はこのエリアには行きませんでした。
また、私の場合、観光客を狙ったスリが多発しているといわれている17区が出張中の職場でした。
仕事だったので避けて通るわけにもいかず、17区を歩くときはとにかく「貴重品から気を逸らさない・知らない人に声をかけられても無視」を徹底してました。
治安のよいカルチェラタン(5区)は便利も良くおすすめ
パリはセーヌ川をはさんで右岸(北側)、左岸(南側)に分けることができ、左岸の方が比較的治安が良いといわれています。
勿論全ての右岸が危ないというわけではないですし、左岸だから100%安全とも言い切れないのですが、やはり物事は確率の高い順に起こっていくもの。
比較的安全と言われている5区(左岸)のカルチェ・ラタンにあるホテルに宿泊しました。
私が宿泊したホテル アンドレ ラタンはホテルが高い5区の中では比較的リーズナブルに泊まれるのでおすすめめです。
関連記事:【パリ】Hotel Andre Latin(ホテルアンドレラタン)宿泊記
学生街なので、美味しくてローカル感が楽しい素敵なカフェやビストロも沢山ありました。
サンジェルマン・デ・プレもお隣ですし、歩くのが好きな人は観光名所にも歩いて行ける距離なので、このエリアへの宿泊は強くおすすめします。
⑥見た目のイカツさは超重要・・早歩き・ガニ股・胸を張って歩こう
これは意図して気を付けたというよりも、もともとがそうなのですが、私は基本ガニ股で歩くのがめっちゃ早いです。
そして姿勢が良いとよく言われます。加えて顔立ちもきつめです。
これらを総合すると、私はかなりアグレッシブな見た目という事になります。
これは超個人的な意見なのですが、今回私がスリや詐欺の餌食とならずに済んだのは、この見た目のおかげではないかと本気で思ってます。
自分が詐欺師だとして、「内またでゆっくり歩いてる猫背の人」と「ガニ股で早歩きでやたら姿勢のいい顔のきつい女」のどちらにロックオンするかと考えると、当然標的は前者なわけです。
内またでひょこひょこゆっくり歩いてる猫背の人って案外多く見かけるんですが、ものすごくガードが甘そうに見えます。
実際に甘いかどうかは別として、「甘く見える」ってのはその分ターゲットにされやすいわけですから、非常に損だと思います。
早歩き・ガニ股は無理って人は、姿勢だけでも直すと堂々として見えるので、是非胸を開くよう心がけてみて下さい。
あと、前髪があるとどうしても優しい雰囲気になるので、前髪作ってる人は旅行中だけでもおでこを出すといいと思います。
私ですか?当然デコ丸出しですよ。
まとめ:
以上、私がフランス滞在中に気を付けた6つの事でした。
今回私が何の被害にも遭わずに済んだのは単に運が良かっただけなのかもしれませんが、これらの防犯対策も決して無駄ではなかったはずです。
フランスでは前回の大統領選で治安問題が争点となったほど、治安の悪化が深刻化しています。
そんなフランスで、スリやひったくりの被害に遭わぬよう警戒し続けるのは、はっきり言ってとても神経を使います。
しかしそのデメリットを差し引いてもおつりが来るくらい、フランスは観光地として素晴らしいのも事実。
本当に目にするもの全てが美しく、半年たった今でも昨年のフランス滞在の記憶は私の活力になっています。
この記事を読んでくださった皆様の旅も、安全で素晴らしいものになりますように。