こんにちは、いじわるこです。
ワシントンD.C滞在でで思いがけず素晴らしかったのが、国立美術館のナショナル・ギャラリー・オブ・アートでした。
入場無料なので「そこそこ楽しめたらラッキー」くらいの軽い気持ちで覗いてみたのですが、いやー、良い意味で裏切られました。
ナショナル・ギャラリーに行くためだけに、ワシントンD.C.に行っても良いといえるくらい、おすすめ美術館です。
ナショナル・ギャラリーの所蔵品数は約12万点。
じっくり見て回ろうと思うとゆうに3日はかかりますが、今回私の持ち時間はたったの2時間。
割り切って、人気のある「印象派コレクション」と「ダ・ヴィンチのジネーヴラ・デ・ベンチの肖像」にターゲットを絞り、充実した2時間を過ごしてまいりました。
「ワシントンD.C.でナショナル・ギャラリーに行きたいけど、あまり時間がとれない」そんな人のために、効率よく回るための下準備と美術館の見どころについてまとめてみました。
参考になれば幸いです。
Contents
【ナショナル・ギャラリーに行く前に】 公式サイトでサクッと下準備しよう
ナショナル・ギャラリーの公式サイトはコンテンツがとても充実していて、日本語で読めるものもあります。
当日効率よく動くための情報が盛りだくさんなので、ぜひ活用しましょう。
公式サイト → ★
中でも特に有用と思われるサービスとまとめてみました。
下準備① ナショナル・ギャラリーのハイライトを日本語でチェックしておこう
ナショナル・ギャラリーの公式サイトにはコレクションのハイライトを音声で解説してくれるページがあるのですが、なんとこのサービス、日本語バージョンもあります。
Collection Highlights: West Building-Japanese (日本語オーディオ) → ★
もちろん無料で利用できます。
作品が描かれた背景や作品にまつわるストーリーを知っているだけで、絵画鑑賞は何倍も面白くなります。
ネットでサクッと予習おきましょう。
下準備② 日本語版の館内マップを事前に入手しておこう
12万点ものコレクションを擁するナショナル・ギャラリー。
とても広いので館内マップは必須になります。
館内マップは館内のインフォメーションデスクでもいただけますが、公式サイトでもPDFでダウンロード可能です。
嬉しいことに、マップも日本語バージョンが用意されています。
大体でいいので、行く前に場所を頭に叩き込んでおくとよいと思います。
館内マップ(日本語)→ ★
ちなみに、この美術館で人気のある印象派絵画のコレクションは西館メインフロア(日本でいうところの2階)のギャラリー80~93にあります。
このような立て看板があるのですぐにわかると思いますが、念のため地図でも場所を把握しておくとよいでしょう。
見どころ満載!ナショナル・ギャラリーの魅力
ナショナル・ギャラリー・オブ・アートの魅力は「圧巻のコレクション」と「趣向を凝らした展示方法」です。
私が感動したポイントをまとめてみました。
ナショナル・ギャラリーの見どころ① 有名絵画のコレクションがズラリ
ナショナル・ギャラリーは無料で入場できる美術館にも関わらず、そのコレクションは質・量ともにトップクラスです。
特にフランス印象派の名作に関しては、「教科書で見たことある」レベルの有名な作品がゴロゴロ展示されており、それほど絵画に詳しいわけではない私でも興奮しました。
一例をご紹介します。
ルノワール「フープを持つ少女」と「踊り子」(ギャラリー85)。
ルノワールの描く少女たちには美しさと優雅さが満ち溢れています。
これは昔、別の美術館で聞いたことですが、ルノワールには「芸術は見るものを幸せにする存在でなければならない」という強い思いがあったそうです。
ルノワールの作品を目にするたび、彼の信念に敬意を払わずにはいられません。
ゴッホ「薔薇」(ギャラリー83)
退色してしまってますが、もともとは赤い薔薇を描いたものだとか。
間近で見ると、ゴッホ筆遣いの力強さを感じることができました。
モネの連作、「ルーワン大聖堂」(ギャラリー80)。
同じモチーフを1日のうちの異なる時間帯で描き、光の変化を捉えた作品。
向かって左が朝日の中で描かれた大聖堂です。
美術館のハイライトとして印象派コレクションと肩を並べるのが、ダ・ヴィンチが22歳のころに手掛けた「ジネーヴラ・デ・ベンチの肖像」。
作品自体も素晴らしいものなのですが、現在明らかになっている範囲ではダヴィンチの絵画作品は全部で19点しか存在せず、希少性の高いことからも見るべき1枚とされています。
こちらの作品は印象派絵画とは反対のエリア、ギャラリーM-6にあります。
見どころ② ナショナル・ギャラリーの展示方法には工夫がいっぱい
ナショナル・ギャラリーでは個々の絵画が素晴らしいのはもちろんのことですが、展示方法にんも工夫が凝らされています。
まず、各部屋で壁紙の色がこだわり抜かれていて、引きでみると、展示スペース全体がまるで一つの作品のように感じられます。
また、隣り合う部屋の出入り口が一直線になっていて、どん詰まりに展示されている作品をあえて遠くから鑑賞するというのがとても楽しかったです。
一番奥の部屋にかけられている作品を部屋越しに鑑賞することで、各部屋の装飾が額縁のように感じられ、また違った美しさが発見できるというわけです。
一番面白かったのが、こちらの「男性」を描いた作品の展示。
いくつかの部屋を挟んだ反対側のどん詰まりの部屋には、この「男性」に向かい合う格好で「女性」の絵が飾られています。
ギャラリーのガイドさん曰く、これは単なる偶然ではなく、意図して「男」と「女」で対にしたものなのだとか。
なんという遊び心!キュレーターさんのセンスに脱帽です。
この女性は作品はホイッスラーによる「白のシンフォニー第一番ー白の少女」(ギャラリー69)。
反対側の男性はギルバート=スチュアートの「スケーター」(ギャラリー59)
このように、ナショナル・ギャラリーは、コレクションそのものも勿論素晴らしいのですが、その展示方法にも多くの趣向が凝らされています。
見どころ③ ナショナル・ギャラリーは絵画の知識がなくても十分楽しめる
ナショナル・ギャラリーにある印象派の絵画コレクションは400点。
印象派印象派とアホの一つ覚えのように口にしてる私ですが、絵画の知識はというと、まったくと言っていいほど教養がありません。
しかしこの美術館は、そんな私でも楽しめるように「ギャラリー(部屋)ごとにテーマ」を設けて作品が展示されていたのが印象的でした。
例えばこの画像、ギャラリー82は「印象派画家による静物画」をテーマにした展示でした。
セザンヌが梨を描いたThree Pearsとエドゥアール・マネが描いたPearsが近くに配置されている・・といった具合に、作家ごとの作風の違いを楽むことができました。
私が興味深かったのが、ギャラリー82。テーマは「印象派とエキゾチシズム」。
ルノワールの「オダリスク」。
優しい色遣いの作品が多いルノワールだけに、この作品が描かれた背景に異国趣味の影響を色濃く受けていたことが良くわかります。
オダリスクとは、オスマン帝国時代にハレムで君主に使える女奴隷のことで、18,19世紀にオリエンタリズムの影響を受けた印象派画家の題材として好まれました。
同じくオダリスクをモチーフにした、マティスによる“Odalisque Seated with Arms Raised, Green Striped Chair”
このように、印象派絵画だけでも各部屋ごとにテーマが明確になっていて素人の私でも十分楽しむことができました。
いった体系的な展示が可能なのは、所蔵数が膨大な美術館ならでは。
【当日お役立ち情報】ナショナル・ギャラリーの日本語解説を利用しよう
ナショナル・ギャラリーでは手持ちのスマートフォンで学芸員さんによる日本語解説を聞きながら、作品を鑑賞することができます。
ナショナル・ギャラリーの公式サイトにある音声ガイドツアーのページから、解説地点の番号を入力すると、日本語解説にアクセスできるシステムです。
Wi-Fiもフリーです。Wi-Fi名は「NGA_Public_WiFi」です。
西館音声ガイドツアー (Japanese)→ ★
音声ツアーを利用する際は、周囲の方の迷惑にならないよう、必ずヘッドフォンを利用するようにしましょう。
常設展示作品の無料日本語ツアーも定期的に開催されています。
2019年4月時点では第一木曜日、第二日曜日、および第三水曜日に行われています。
詳しくはこちら。
Guided Tours Japanese → ★
【移動に関する注意点】帰りが閉館間際になる場合、すぐにUberを使えるようにしておこう
私がナショナル・ギャラリーを訪れたのは3月。
閉館(18:00)と同時に美術館を出た時には、日が暮れかけていました。
この写真は美術館を出た直後の周辺の様子です。
3月のオフシーズンで、雨が降っていたという事もありますが、このように人気(ひとけ)が少なく寂しい雰囲気でした。
美術館の前には流しのタクシーも見かけなかったため、帰りはホテルまでUberを利用しました。
アプリから予約すると5分もしないうちに迎えの車が来てくれましたが、もしUberの存在がなかったら、ダウンタウンまで歩く羽目になっていたでしょう。
ダウンタウンまでは徒歩5分ほどの距離ですが、夕暮れ時の、人通りのまばらな場所での一人歩きは防犯上避けたかったので、Uberの存在は有難かったです。
Uberをを利用したことのない人は、あらかじめスマホにアプリをダウンロードしておき、クレジットカードの登録も済ませておくことを強くお勧めします。
Uberアプリダウンロードはこちら → ★
当サイトからの登録で、初回の乗車が割引になります。
この機会に是非♪
ワシントンD.Cに来たらナショナル・ギャラリーには絶対行くべき
ナショナル・ギャラリー・オブ・アートは「誰でも入れる美術館」をスローガンに立ち上げられた美術館なのですが、「誰でも入れる」というのは単に入場無料というだけではなく、「誰でも楽しめる」という意味でもあるのだと、実際に足を運んでみてそう感じました。
展示の方法にこだわりがあったり、多言語の解説が用意されていたりと、幅広い客層が楽しめるような趣向が細部にまで凝らされていたことに感動ました。
難しいこと抜きにして、美しいものを純粋に楽しめる素晴らしい美術館なので、ワシントンD.C.を訪れる際にはぜひ足を運んでみてください。
関連記事:【パリ】マリー・ローランサンとオランジュリー美術館
ワシントンD.C.滞在記、つづく(*‘∀‘)